効果的な申し送りノートの書き方とは?

看護師が申し送りノートを書く際、患者さんの状況を正確に伝えることが重要だ。申し送りノートは次の担当者への大切な情報源となるため、具体的かつ簡潔に記述することが求められる。患者さんの基本情報や現在の状態、日中の変化、特に注意すべき点、介護計画の変更があればそれも記載しよう。これらの情報は、後続の看護師が迅速かつ適切な判断を下すための基盤となる。

患者さんの情報を記載するにあたっては、医療用語を適切に使用し誤解の余地を防ぐことが欠かせない。一方で専門用語の過度な使用は情報の理解が難しくなるため、適切なバランスを見つける必要がある。また、状況が継続している場合はそれを明確に記すことで、情報の連続性を保てるだろう。情報は事実に基づいて書かれるべきであり、主観的な意見や推測は避けるべきだ。

申し送りノートでは、自身だけでなく他者が読んでも理解しやすいように配慮しよう。そのためには、書き手が情報を整理し、重要な点を強調しながら記載する技術が求められる。患者さんの状態や変化を時系列に沿って記述し、必要であれば重要な事項を太字や下線で強調することも効果的だ。重要な情報が一目でわかり、次の担当者が効率的に情報を把握できる。

効果的な申し送りノートの作成には、継続的な練習と経験が必要だ。同僚や上司からのフィードバックを積極的に求め、自身の書き方を改善していこう。ほかの看護師が書いたものを参照すると、異なる表現方法や情報の整理法を学べる。すると、看護師はより効果的なコミュニケーションツールとして申し送りノートを活用できるだろう。

申し送りはこうやる!事例で説明!

看護師の申し送りを、具体的な事例で解説しよう。夜勤で担当していた患者Aさんが、あなたの勤務中に熱っぽいと訴えた。実際に検温したら38度程度の熱があったため、医師へ報告した所、XX日に手術を控えているという事情を踏まえ、解熱剤と採血するようにと指示を受け、その通りに処置したという背景があると仮定する。

この場合、夜勤明けに行う申し送りであなたが伝えるべきポイントは、何だろうか?あなたの勤務時間中に行った採血に関してデータは出たのかどうか、またこの申し送りの前に、医師から患者さんへの直接的な説明はあったのかどうか、という点は引き継ぐ看護師へ必ず伝えなければいけないポイントだろう。

この申し送りをポイントを押さえながら簡潔にまとめると、
「XX日に手術を控えているXX号室のAさんは、38度の発熱があったため医師へ報告し、XX時XX 分に採血と解熱剤の投薬を行いました。手術に関しては、採血データを見てから医師が最終判断するとのこと。採血データはXX時XX分の段階ではまだ出ていないので、確認をお願いします。また医師からすでにAさんへの話はあり、状況次第では手術の延期もあるという説明で、Aさんも納得しています。」
となるだろう。

この申し送りは、時系列に報告しているため、聞く側にとっては状況を把握しやすいというメリットがある。またポイントを押さえており、次の担当看護師が何をすれば良いかも分かりやすい。必要なポイントを押さえて簡潔に話をまとめるためには、申し送りの時だけでなく普段から、話をうまくまとめる話術を磨くことも有効かもしれない。