看護師にとって、申し送りの作業は欠かすことができない重要な職務の一つである。しかし慣れない新人看護師の多くは、この作業を苦手だと感じてしまう。ポイントを押さえて的確に報告できれば理想的だが、上手くできずに話が長くなってしまうと、先輩看護師がイライラしてしまうことは多いだろう。
また、簡略しすぎてポイントを漏らせば、先輩から容赦のない突っ込みが入ることも珍しくない。申し送りで悩む看護師は、どのように工夫しながら克服すればよいのだろうか?
多くの看護師がおすすめする克服方法は2つある。1つ目は、最も大切なことを最初に述べるという方法だ。本来なら時系列で患者さんの容態や指示などを離した方が、聞く側にとっては分かりやすいものである。しかしそれだと話が長くなってしまうなら、大切なことを最初に述べ、そのあとで必要なデータや背景を述べたほうが、簡潔さが伝わるだろう。
2つ目は、上手く申し送りをこなしている先輩看護師のスキルを真似するという方法だ。指導してくれる先輩と行動を共にしていれば、担当している患者さんの容態や状況は新人でも十分に理解できるのではないだろうか。自分なりに頭の中で申し送りをシミュレーションしておき、先輩が実際に行う申し送りと照らし合わせて答え合わせをすることで、改善点を把握しやすくなる。
どんな順序で何を話すかという点から、言葉の選び方や文章の長さまで、細かく分析しながらお手本として取り入れることで看護師自身の申し送りスキルの向上につながる。